yokobuttonの不定期で競技プログラミングをするブログ

不定期で解けた競技プログラミングコンテストの問題を載せています。

リスト彩色とリスト彩色予想②

2,リスト彩色予想

 リスト彩色予想

  任意の単純グラフGは、ch1(G)=χ1(G)である。

 (証明)

  1つ反例を示すことで、予想を否定する。

  完全グラフKpの位数が奇数の場合を考える。Kpのサイズqはp(p-1)/2である。

  完全グラフKpに対してχ1(Kp)=p(pが奇数)、p-1(pが偶数)であるので、予想が成り立つならば、ch1(Kp)=pである。

  グラフに許される色の数をm、各辺に許される色の数をkとすると、k=pである。

  m=k+1=p+1の場合を考える。

 

  p=1の場合、頂点v1があり、サイズは1(1-1)/2=0である。

 

  p=3の場合、頂点v2、v3を加えることを考える。増える辺はp(p-1)/2-(p-2)(p-3)/2=2p-3=6-3=3本である。この辺はv2、v3からv1への各1本とv2とv3を結ぶ1本である。e3,1=(v1、v2)、e3,2=(v1、v3)、e3,3=(v2、v3)とする。

   許される色の数はm=p+1=4、k=p=3である。

   それぞれの辺が許される色のリストをc3,jで表す。このとき、c3,1、c3,2、c3,3が①すべて同じ、②1つだけ違う、③3つとも違う、の3通りが考えられる。どの場合でも、それぞれの辺に互い異なる色を塗ることができるので、それをe3,1=0、e3,2=1、e3,3=2として本質的に問題ない。

 

  p=5の場合、頂点v4、v5を加えることを考える。増える辺の本数は2p-3=10-3=7本である。この7本はv4、v5からv1、v2、v3への各3本とv4とv5を結ぶ1本である。e5,1=(v1、v4)、e5,2=(v2、v4)、e5,3=(v3、v4)、e5,4=(v1、v5)、e5,5=(v2、v5)、e5,6=(v3、v5)

、e5,7=(v4、v5)とする。

   許される色の数はm=p+1=6、k=p=5である。

   それぞれの辺が許される色のリストをc5,jで表す。これら増える辺の最悪の場合を考える。

   e5,1について考える。

   e5,1の最悪の場合は、v1に接続する辺で確定している色(0、1)がc5,1に入っている場合である。他の3色は①P=3のときに使われた色が入っている、②p=3のときに使われた色が入っていない、の2通りに分けられる。今②の場合を考える。e5,1をP=3のときに使われていない色で塗り、それを色3として本質的に問題ない。

   e5,2について考える。

   e5,2の最悪の場合は、v2に接続する辺で確定している色(0、2)とv4に接続している辺で確定している色(3)がc5,2に入っている場合である。他の2色は①P=3のときに使われた色が入っている、②p=3のときに使われた色が入っていない、の2通りに分けられる。今②の場合を考える。e5,2をP=3のときに使われていない色で塗り、それを色4として本質的に問題ない。

   e5,3について考える。

   e5,3の最悪の場合は、v3に接続する辺で確定している色(1、2)とv4に接続している辺で確定している色(3、4)がc5,3に入っている場合である。他の1色は①P=3のときに使われた色が入っている、②p=3のときに使われた色が入っていない、の2通りに分けられる。今①の場合を考える。そうすると、e5,3は色0で塗られることになる。

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   e5,4について考える。

   e5,4の最悪の場合は、v1に接続する辺で確定している色(0、1、3)がc5,4に入っている場合である。他の2色は①P=3のときに使われた色が入っている、②p=3のときに使われた色が入っていない、の2通りに分けられる。①の場合、色(2、4)、色(2、5)のどちらか、②の場合、色(4、5)である。

   今②の場合だったとして、色5をe5,4に塗るとする。

   

   e5,5について考える。

   e5,5の最悪の場合は、v2に接続する辺で確定している色(0、2、4)とv5に接続している辺で確定している色(5)がc5,5に入っている場合である。他の1色は①P=3のときに使われた色が入っている、②p=3のときに使われた色が入っていない、の2通りに分けられる。①の場合、色(1)で、②の場合、色(3)である。今、②の場合だったとして、色3をe5,5に塗る。

   

   e5,6について考える。

   e5,6の最悪の場合は、v3に接続している辺で確定している色(0、1、2)とv5に接続している辺で確定している色(3、5)がc5,6に入っている場合である。

   このとき、c5,6=(0、1、2、3、5)はもうすでに5色許されている。この許されている5色では彩色不可能である。

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   e5,4に戻って、e5,4を色4で塗るとする。

   

   e5,5について考える。

   e5,5の最悪の場合は、v2に接続する辺で確定している色(0、2、4)とv5に接続している辺で確定している色(4)がc5,5に入っている場合である。他の2色は①P=3のときに使われた色が入っている、②p=3のときに使われた色が入っていない、の2通りに分けられる。①の場合(1、3)、(1、5)のどちらかであり、②の場合(3、5)である。

   今②の場合だったとして、色3をe5,5に塗る。

 

   e5,6について考える。

   e5,6の最悪の場合は、v3に接続している辺で確定している色(0、1、2)とv5に接続している辺で確定している色(3、4)がc5,6に入っている場合である。

   このとき、c5,6=(0、1、2、3、4)はもうすでに5色許されている。この許されている5色では彩色不可能である。

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   e5,5に戻って、e5,5を色5で塗るとする。

 

   e5,6について考える。

   e5,6の最悪の場合は、v3に接続している辺で確定している色(0、1、2)とv5に接続している辺で確定している色(4、5)がc5,6に入っている場合である。

   このとき、c5,6=(0、1、2、4、5)はもうすでに5色許されている。この許されている5色では彩色不可能である。

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   これで、完全グラフがp=5のときに5-リスト辺彩色可能ではないことが証明された。

   よって、リスト彩色予想は否定される。(証明終わり)